減圧とは 真空とは
真空というと、「何も無い状態」を連想される方が多いと思います。平地での気圧は1013hPaですが、高い山に登るにつれ空気は薄くなり、飛行機が飛ぶような上空ではさらに希薄になります。そして宇宙ステーションが浮かぶ宇宙空間などは、まさに “真空”と呼ばれる領域になります。しかし“真空“は「何も無い状態」ではなく、単に希薄な状態を指します。
JIS(日本工業規格)では“真空“の定義が決まっており、『通常の大気圧より低い圧力の気体で満たされた空間内の状態』ということになっています。そして、この『通常の大気圧より低い圧力にすること』を減圧と呼びます。
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※現在、どんな技術を使っても「まったく何も無い状態」を作ることは不可能で、人工的に作り出せる最高レベルの真空でも、1Lの容器の中に数百万個の気体分子が含まれています。また宇宙のどこへ行っても「何も無い状態」の空間は無いとされています。
真空の度合い(真空度)は、「低い・高い」あるいは「良い・悪い」という言い方をします。この特集では、以下の表現を使用します。
【圧力が低い(数値が小さい)=真空度が良い=高真空】
【圧力が高い(数値が大きい)=真空度が悪い=低真空】 |