振盪機
振盪(しんとう)機とは
『振盪(しんとう)』を辞書で引くと・・・「激しく振り動かすこと。揺れ動くこと。」とあります。そしてこの“激しく振り動かす“ための装置が「振盪機」です。
試験管やフラスコなどの容器を水平方向や垂直方向に振って、中に入った試料中の物質を混合したり、反応させたりするほか、微生物や植物・動物細胞などを培養したりするのに使用します。「シェーカー」とも呼ばれ、様々な分野、用途で使用されています。
振盪機の使用分野・用途
振盪機の主な使用分野、用途には下記のようなものがあります。
分野 | 用途・使用例 | |
有機化学 無機化学 |
混合、溶解、抽出、反応 |
|
生化学 医学 薬学 分子生物学 分析 |
抽出、分離、反応、遺伝子操作、洗浄 |
|
生物学 農学 |
培養 |
|
振盪方式
振盪方式は目的や用途によって様々です。主なものは下記になります。
振盪方式 | 構造 | 図解 | ラインアップ |
往復振盪 |
左右に往復運動をする最も一般的な振盪方式です。反応、溶解、培養等、多目的に使用できます。空気の取込みが良く、酵母の前培養や形質転換後の大腸菌のストレス環境下での培養などにも適しています。 | MMS-1020(往復) |
|
旋回振盪 |
円を描くような振盪方式です。往復振盪に比べ物理的ストレスは少ないと言われており、反応、溶解、培養等 多目的に使用できます。特に植物、微生物などの培養実験に多く使用されるほか、DNAの抽出やタンパクの生産などにも対応できます。 | MMS-220H(旋回+高湿度対応) MMS-3020(往復/旋回) MMS-320(往復/旋回) MMS-4020(往復/旋回/8の字) MMS-520(旋回+強力振盪) MMS-5020(旋回+強力振盪) MRM-1000(往復/回転/往復+振動) CM-1000(旋回+高速) |
|
8の字振盪 |
往復と旋回を組合せた振盪方式です。撹拌・混合効率に優れ、均一で効率的な振盪が可能です。化学系での溶解、撹拌、混合のほか、分子生物系でのゲルやメンブレン洗浄、ELISAでの反応、ウエスタンブロッティングでの反応・洗浄に適しています。 | ||
垂直振盪 |
上下にゆする振盪方法です。最も混合・撹拌効率が高く、液々抽出や粉体同士の混合などに広く使用されています。分液ロートを使った食品・土壌・環境汚染物質の前処理抽出などに適しています。 | MMV-1000W(垂直/傾斜) | |
モノード振盪 |
円弧状に上下運動する振盪方式です。L型試験管やバイアル瓶などに用いられ、液体と空気との接触効率が高いため微生物の培養やBOD測定時などに使用されます。 | ||
シーソー振盪 |
シーソーのように振盪台が緩やかに上下運動する振盪方式です。均一で穏やかな振盪が可能です。ハイブリダイゼーション(DNA/RNAの相補的複合体形成)の際に使用される恒温器(ハイブリダイゼーションオーブン)などで採用されており、ハイブリバッグやゲル染色・脱色用のプラスチック容器を載せて使います。 |
温度調節範囲
各振盪機の温度調節範囲は下記のとおりです。
オプション「振盪台」の選び方(マルチシェーカー MMS型シリーズ)
オプションの『振盪台』は使用する容器、架数、用途などにより選定します。
様々な容器を使って振盪したい
決まった容量のフラスコしか使わない
シャーレを振盪したい
遠沈管を振盪したい
振盪機ラインアップ/ カタログダウンロード
MMS型シリーズ | MRM-1000型 | CM-1000型 | MMV-1000W型 | NTS-4000型シリーズ | MMI-1000型シリーズ | |
振盪機 マルチシェーカー |
小型回転振盪機 | 高速振盪機 キュートミキサー |
分液ロート振盪機 | 恒温振盪水槽 ユニサーモシェーカー |
恒温振盪機 | |
目的・使用容器・振盪方式など、様々な用途に対応。スタンダードモデル | 回転、往復、往復+振動の3種類の動作によって様々な容器を振盪可能。 (オプション:各種振盪台) |
ミニサイズで高速・強力な振盪。DNA・RNA抽出、試薬の混合・溶解、微生物や菌の培養などに最適。 | 振盪角度を垂直(90°)から大きな混合力が得られる傾斜角(70°)まで調整可能。装置の運転音は55dB以下、小川のせせらぎのレベルです。
(オプション:分液ロートホルダー) |
少量~大量まで選べる3タイプ・5機種をラインアップ | 室温+5~60℃。小スケールの培養用途に適した恒温振盪機。恒温チャンバー一体型で卓上で使用可能。跳ね上げ式の透明アップフードは、全開位置で止まります。
(オプション:各種振盪台) |
|