凍結乾燥
凍結乾燥とは
凍結乾燥法とは、試料中の水分を共晶点(氷点)以下の温度で凍結させ、その状態のまま昇華によって水分を除去乾燥させる方法です。凍結乾燥は高真空下で凍結状態のまま試料内の水分を除去します。そのため、水分が昇華し終わるまで試料は周囲温度にならないので、試料の物理的・化学的変化が極めて小さく済みます。凍結乾燥法を利用した身近な例としては、インスタント食品等の乾燥食品が挙げられます。その他医薬品の製造や新素材の開発などさまざまな用途に幅広く利用されています。
凍結乾燥法の特長
凍結乾燥と加熱乾燥との違い
凍結乾燥(減圧) | 加熱乾燥(大気圧) | |
乾燥方法 | 昇華 | 蒸発 |
形質変化 性質変化 |
容積や形状の変化無し 成分の変化も殆ど無し 色・香り・味・栄養価も保持 |
泡⽴ち・収縮・表⾯硬化あり 加熱や⽔分活性による変質大 |
乾燥状態 | 多孔質に乾燥するので、内部も充分に乾燥 | 表層に凝縮層ができ、深部の乾燥が困難 |
保存性 | 低温・真空下での処理なので、酸化や 雑菌による 汚染が無く、⻑期保存が可能 |
酸化や雑菌などによる変質で⻑期保存が困難 |
復元性 | 多孔質の部分に⽔が⼊り復元・溶解性が良い | 収縮が起こっているので復元が困難 |
乾燥時間 | ⻑時間(数時間〜数⼗時間程度) | ⽐較的短時間(数⼗分〜数時間程度) |
設備費⽤ | やや高額 | ⽐較的低額 |
主な用途
菌類標本保存、乾燥酵母保存、生体組織標本保存、移植用組織保存、血液製剤保存、医薬品製造、薬品保存、標本保存、有用物質分析、食品保存、インスタント食品製造、保存研究
凍結乾燥法の工程
凍結乾燥機は、「試料取付け部(多岐管・ドライチャンバー)」、「装置内の圧力を下げるための真空ポンプ」、「昇華した水分を捕集するためのコールドトラップ」で構成されています。凍結乾燥(フリーズドライ)に関する説明と実際に凍結乾燥を行なった際の様子を動画でご覧いただけます。
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凍結乾燥(フリーズドライ)に関してと凍結乾燥中の様子をご紹介(音声入り/3分52秒)
研究者の皆様へ有益な情報を配信する動画サービス『EYELA CHANNEL』
凍結乾燥機構成
除湿量・トラップ冷却温度から凍結乾燥機本体を選び、使用容器にあわせてオプションよりチャンバー(多岐管)を選択してください。
最後に真空ポンプ、ホースなどの配管類をお選びください。
組み合わせガイド
凍結乾燥機ラインアップ/ カタログダウンロード
FDS-2100型 | FDS-2200型 | FDM-1000型 | FDM-2010型 | |
-80℃ | -80℃ | -45℃ | -80℃ | |
ノンフロン 小型卓上タイプ |
ノンフロン 小型卓上タイプ |
多目的ユニットタイプ | ノンフロン ユニットタイプ |
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FDL-1000型 FDL-2000型 |
FD-551型 | FD-650型 FD-750型 |
FD-680型 FD-780型 |
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-45℃ 除湿量4L -80℃ 除湿量3L |
-45℃ | -45℃ | -80℃ | |
ユニットタイプ | 棚乾燥方式 | 棚乾燥方式 | 棚乾燥方式 | |
依頼実験を承っております
ご購入決定に際して、サンプルの乾燥結果を実際にお確かめいただける受託乾燥実験を行なっております。ご希望の場合には、下記フォームよりご依頼ください。